2022年7月濃厚接触者とあいなりました
昔話しながら最近思うことなど
ブログ久しぶりすぎてすいません
23歳、ナポリ
旅行資金もそろそろ寂しくなって
ナポリ人のアニメオタクに日本語を教えるアルバイトだけじゃ心もとないってことで、
ローマの日本料理屋さんに出稼ぎすることになった1995年秋
初めての✨ローマ
一番安い鈍行でローマテルミニ駅前
当時は5時間ぐらいかかった
駅前の広場には
北から南までのイタリア人、
南米系にスリランカ、
東欧の金髪娘
身を潜めてうかがってるロマ(ジプシー)の群れ
雑踏と多様性の中に立ってると
自分が何者でもなくなって
自然と何者かになる気持ちよさがあった
ナポリって冷蔵庫みたいな街って思ってた
この中にある食材で料理しなあさいって言われてるみたいな
居心地良いんだよ、
疑問や新しい何かを求めなきゃね
シンプルで変わらない料理がベースにあって
変わらない生き方のベースがあるから
発想と対応があんなに豊かで
皆放っておいてくれないんだ
何を食べるかと
どう生きるかに悩まなくて良いってさ
公園で遊ぶ子供の純真さと一緒
彼らは毎日おなじものを食べて
同じ人と会い
同じ話をする
住んでる街は大都会なのに
農村に住んでるかのような人とのつきあい方
だから街行く東洋人にも興味津々
ナポリではひとりっだって感じることは無かった
ナポリには
「誰1人おいてかない」っていう
連帯精神があふれてる
僕はそれを、自分の故郷会津若松にあった
寄合に似てるなって思う
“無尽“~無を尽くすと書く
ただ単純に困ってる相手が喜んでもらえることがお互いにとって幸せだというだけ。その為なら少しの時間やお金を犠牲にしても惜しくはない、売上の少ない誰かや困ってるだれかの為に、無尽という寄合があった
でも
ローマはでかい市場みたいで
食材は冷蔵庫にはいりきらないほどあふれていて
料理法も自分で選択してく
生き方もね、
人の事より自分のこと
Non me ne frega,Fai cazzi tuoi!
“気にしないよ、好きにしな”
そう言われてるみたい
観光客が多すぎるのか
誰も東洋人には興味なし
クールで冷たいロマーノ
テルミニ駅前の地元客で賑わう朝のバール
この界隈じゃ誰が地元かなんてわかりやしないけど
まあイタリア人ばっかり
無駄口ひとつなく朝の喧騒をさばいていくバールマン
見ないように全部見てる完璧な所作
ローマ近郊から出勤してくる客が多いのか
昨夜のローマダービー、
客の話はもっぱらラツィオ側
テヴェレ川を越えたらまた違う風景
そこにはローマ人が住むローマがある
コルネットにコーヒー
「砂糖は?」
Zuccheerato(砂糖入り)でお願い
「コルネット?」
Cicculata(チョコレート)で
寡黙だったバールマンが振り返る
ナポリのアクセントで話す謎の東洋人に
苦笑しながら言う
「Allora sei napoltanizzato!」
おい若いの、ナポリ化しちまったのかい?
優しさと親しみに溢れた彼のアクセントは
生粋のナポリ訛りで
ローマ初日、
ここでも
僕は一人じゃなかった
今、極東最前線でナポリピッツァを焼いてる自分は
北米に移民したナポリ人の気持ちを想う
移民達が持ち込んだ郷愁のソウルフード、ピッツァ
僕も短い経験しかないけど
ソウルフードってさ
産まれた彼の地を想うことじゃない
僕の感動が産まれた土地を想い
共感を通して皆様と
繋がっていけたらなと思ってます
Napolitanizzzato
今僕にとってナポリ人みたいに振る舞うってことは
誰かのために時間や気持ちを割くことができること
自己中心的と言われるけど(笑)
自分のことを真剣に思えなくて
他者を想うことができるかね?
こんな時代だがら
あと何年生きるか知らねけど
出会ったことにありがとって
優しさと好奇心でもって
世界と関わっていきたい
「誰1人おいてかない」
タンブレッロに溢れる連帯精神です
LOVE &PEACE
50歳にもなると使い古された詞がしっくりくる
サンボマスター山口君は同郷
何かを伝えるのに魂かけるって凄いこと
会津の男は熱いんだぜ(笑)
おおつぼ