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Si sente la pizza 信頼という絆

2021.10.25

Via gino doria 81 Napoli

La spaghettata

 

また電話がなる

アドルフォは朝から喋りっぱなしで

サルバトーレは愚痴りっぱなし

「Questo sabato?今週の土曜かい?構わないよ日本人で良ければ」

アドルフォ今度はどこに行けば良いんだい

 

師匠は当時ナポリピッツァ職人協会の副会長だった

毎日色んなとこから相談が舞い込んできてた

どこかのピッツェリアで?職人がいないってなるとペペかアウレリオが派遣されてた

二人が駄目ってなあると

ジャポネーゼの出番

日本人でも良いってとこはホテルやレストラン併設の職人の顔が見えないピッツェリアが多かった。。ほら東洋人が焼いてるって、ナポリ人は嫌がるからね

「あんたイタリア人が握る寿司は好きかい?」

 

こんな経験はなかなかあ出来ないよ

だってね

当日指定されたとこ行くじゃん

市内だったり、ナポリ近郊だったり

前情報無し、いっさいがっさいアバウト(笑)

その日の生地はあったり、無かったり

食材もあったりなかったり

上手くいく日もあれば

そうでない日も

正に対応力勝負

 

先ずは

冷蔵庫空けるとこから始める(笑)

家庭の主婦状態

そっから店と話して段取り決めて

進めてく

人や職人の面白さって、どんだけイレギュラーを拾ってこれたかだと思うの

そんな経験の礎があると、世の中はワクワクで溢れてくるでしょ

自信がないと世界は恐怖で溢れてくる

自信があれば世界は毎日不思議発見

でも過信がある人の世界は小さい

 

コロナ渦で内へ内へと向かう意識は

僕の内なる世界や記憶の断片を取り戻してくれました

忘れかけてた大切なこと

イレギュラーな世界でワクワクを感じること

ドキドキすること

知らない場所に旅するってこと

 

派遣されたホテルの従業員が厨房に入ってくる

「Nakata!今夜のピッツァは最高だって皆言ってる」

当時、日本人は皆Nakataと呼ばれた

疑念が信頼に変わると

ナポリ人は徹底的に信用してくれる

カメチエーレが言う

「mi raccomando una pizza per me!

後でピッツァを一枚宜しく」

こうなると店が歌い出す

客の笑顔とおしゃべり

カメリエーレの怒号とジョーク

キッチンの熱、焼き上がるピッツァ

ニンニクとバジリコの香り

お客様とお店、スタッフ間に信頼が産まれた時

愛に包まれて店が嬉しそうに歌い出す

それを僕は幸せと呼ぶ

こういう経験をするとね

レストランの仕事は辞めれなくなるんだ

辛いこと

泣きたい夜の方が多いけど

ナポリでこの歌を聞いてから

僕はずっとここにいる

 

僕のピッツァを食べたカメリエーレが言ったんだ

「Yoshi,si sente la pizza

ヨシ、ピッツァを感じるぜ」

最高の誉め言葉だろ

 

自信は経験からしか作られない

過信は無知からしか生まれない

不安はあんたが未経験なだけ

 

これからの時代

胸はって生きたいんだ

多少の自信も50年でついたし

ワクワクはあの時のまま

知らない明日はいつだって未知なる冒険

だから

今日も精一杯生きようって思う

 

アドルフォが電話に出る

「ヨシ、この前のホテルがまた来てくれって言ってる

Hai messo supumante dint’a pasta?

生地にスプマンテでもいれたのかい?」

 

こうして信頼“Fiducia゛の絆が出来上がるんだ

 

僕はこれからの時代も

タンブレッロが奏でる歌を聴いていたい

 

YOSHIHISA  OTSUBO

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピザ生地からパン粉まで

2021.08.24

ワクチン接種2回目終了

経過観察中、時間があるんで

ちょっとした生地の物語をひとつ

 

 

イタリア生まれのナポリ育ち

長時間発酵で強さを発揮するカプートって強力粉

ミネラルたっぷりシチリアはトラパニの海塩

生イースト

日本橋の水道水

タンブレッロの生地はこれだけでできてます

カラブリアじゃジャガイモも入れたし

砂糖だ油脂だと足すのは簡単だけど

何も引けない

これ以上は引けないミニマムな原料だから

イースト量も水温も大事になる

塩分量も室温も大事になる

もちろん湿度や室温も

我が子のように大事に作ってる

愛する人に触れるように

優しく扱っている

 

僕は朝も夜も同じ生地を扱います

お前さんの彼女に朝と夜の顔があるように(笑)

生地も表情を変える

薄化粧の女性がスッピンとのギャップが少ないように

生地の表情をできるだけ調えるのは低(薄)イースト

栄養が少ない方がしなやかに、ゆっくりと老いていくの

 

ピッツァ生地として産まれたからには

立派なピッツァマルゲリータや

シンプルで渋いマリナーラ、

蜂蜜でドレスアップしたクアトロフォルマッジオになって

あのポーランド娘をメロメロにしたる

そんな妄想をイーストで膨らましながら生地達は番重の中で発酵してる

 

でもさ

ピッツァとして生涯を終えることが出来る生地もいれば

もはやこれまでとイースト発効の臨界点でピッツァになる人生を諦める生地もいる

しかーし、しかーしだよ

野球選手になれなかったら人生終わりか?

K2登頂出来なかった者は敗者か、

愛しいあの娘に降られた夜に人世は終わるのかい?

ただ海を見ていたジョニーは人世の敗者か、

 

嘘をつく奴は嫌いだ

陰で人の悪口を言う奴も嫌いです

物を盗む奴

出来ない理由を探す男も嫌いだ

同じ理由で

生地を捨てる奴嫌い

 

当店でピッツァになれなかった生地達の熱い思いは語り継がれる

語り部は職人

パニーニ、

フォカッチャ、

パン

タンブレッロの低イースト発酵で育った生地達

厳しい環境で育った生命力は

4,5日経っても残りわずかな糖分で皆冷蔵庫内で生きている。

再生への道は職人の腕の見せ処

翌日ぐらいの生地はフレッシュな生地にくっつけて使うと、熟成された旨味が乗っかって味わい深くなる

二日目からはパニーニ用のパンやフォカッチャになる、もともとグルテンを出さないように練った生地はこの頃になると火の力に素直で外側のパリッと感は、ハンパないっす先輩

 

 

 

 

三日目から四日目、冷蔵庫の底にある生地の最後は窯焼きパン

一キロ位の塊にしたらグイグイ巻き込んでいく、死んでいたはずの生地に新しい空気が入って、残り少ない糖分でもう一度イースト活性するんだ。本当だよ、薪窯で焼かれたパンは香ばしく武骨で男らしい

 

 

 

 

 

戦場で死ねなかった武士の最期の勇姿とでも申しましょうか、お売りすることは出来ません……何故ってお嬢さん

「これパン粉にするんですから❗」

 

 

 

「うちはただのピザ屋じゃありません、フリッジトーリア(揚げ物屋)って看板掲げてますからね、っそりゃパン粉だって自家製ですよ」

ピッツァ生地として産まれたがサラサラ流れる小川みたい、最後はパン粉として終わる人生も悪くないさね

ピッツァ生地の塩味がのった自家製のパン粉がコロッケやパルミジャーナを美味しくしてくれるのです

 

言いたかったのはね

コロナ渦で、敗者か勝者かなんて馬鹿げてるってこと

皆が誰かの何かの役に立っている

ピザ生地からパン粉まで

捨てる人生なんて世の中に無いわ

 

 

残暑厳しいね

お身体ご自愛ください

 

YOSHIHISA OTSUBO

 

 

 

 

 

 

午前4時のコルネット、11周年

2021.08.05

深夜零時のvia giustiniano a Napoli

後片付けしてる

油、小麦粉、吸殻とシンク一杯の洗い物

客達のお喋りの残り香

「Yoshi ,oggi e Sabato」

アンジェラ

そう今夜は土曜日だもの

 

仕事の後の賄いだって

土曜日の夜はピッツァって決まってる

今夜は500枚も600枚も焼いたミンモの薪窯に薪は要らない

ジーノが言う

「fino e bencotta」薄~く良く焼きで😉✨

ナポリピッツァはモチモチが美味いって日本だけ(笑)

美味しいピッツァのおまじない fino e bencotta

小麦粉を食べる歴史と文化がある国はしっかり焼くの

「美味いだろ」とリーノ

深夜のピッツァをペローニで流し込んで

さあ出かけよう

 

いつもの輩、朝も昼も夜も

明日も、多分明後日も

ジーノ、リーノ、

その友達のマッシモが二人と

アンドレアにパオロ

彼女も家族もうっちゃって、今夜は朝まで遊ぶ

15時間働いてから遊ぶ(笑)

店の前にフォードとフィアット

乗り込んで夜の街へ

ナポリからバニョーリ、海沿いを男達が行く

お喋りなナポリ人、車内にあふれるお喋り

でも誰も他人のお喋りは聞いてない

聞いてるふりして自分の話

この街に聞き上手なんているんだろうか

キリストは黙してあなたの話をきいてくれる

カトリックの国

だから教会は必要

マッシモが車内で屁こいた(笑)いつものこと

「Madonna mia aria !」空気をくれ~

ア~リア~

30過ぎの男共が車から身を乗り出して

Aria! Aria !Aria!の大合唱

土曜日の夜

 

深夜2時

海沿いのバール

着飾ったカップル

モトリーノに乗った若い男女のグループの中で

30過ぎのオッサングループは異様

ジーノの馴染らしく、バリスタは愛想が良い

何をするかって?

ドルチェを食べるんだ

皆で真剣にショーケースを眺める、

ジェラートにアラゴスタ、

ババにカンノーリ

ジーノはエクレアがおすすめだと言う

さっきまでフライヤーの前で揚げ物してたのに

海を見ながらエクレア食べてエスプレッソ飲んでる

ナポリでは日常が劇的だって思う、

街っていう舞台装置があって

人は皆自由にお喋りして、

それぞれの小さな幸せを大袈裟に表現する

ヴェスヴィオのせいかしら

ポンペイの昔から世界は一瞬で灰になるって知ってるから

 

帰り道、リーノが朝飯を買うと言う

暗がりの中、オレンジ色の街灯に照らされた倉庫みたいな建物

パスタスフォリアとブリオッシュの焼ける匂い

職人がコルネットを焼いていた

「クレマかチョコラートか?」

「チョコラート….」

熱々のコルネット

まだ油脂が冷えてないからフワフワしてる

一口齧れば、チョコの洪水、最高

皆、口と手をベタベタにしながら

午前4時のコルネット

明日の朝飯だとジーノがお土産を買ってくれた

クレマとチョコラート

職人の手仕事の素晴らしさよ

20年も前の話

何でもない話

 

 

2010年の8月4日に生まれたタンブレッロ

コロナ渦の中、静かに11年を迎えました

仕事終わりに海辺でエクレア食べないし

朝帰りとかもうしない

今、人生は劇的でもロマンチックでもないけど

まだ旅人でいれてる思います

だって世の中は知らない人と

知らないことだらけなのだから

 

お陰さまで自分が出来ること、出来ないこと

やりたいこと、やりたくないこと

そして天から与えられた使命みたいなもんも

このコロナ渦で感じることができました

自分の出来るこの手作業を徹底的にやり通して

未だ知らない世界にコミットしていく

未だ知らない人との出会いもそこにはあるのでしょう

それを僕は旅と呼ぶことにするんだ

19歳でシベリア鉄道に乗った

今、僕の旅には

家族がいて、スタッフがいて、大切な仲間がいる

コルネットから溢れてくる

チョコレートみたいに

幸せと感動が溢れてくる人生を

みんなと

これからもね

 

 

YOSHIHISA  OTSUBO

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カラブリアで男になった

2021.06.14

緊急事態宣言解除まであと少し

ここまでやったのだから

やりきって終わりたい

矢吹ジョーのように真っ白に燃え尽きたら

コロナ禍という真っ白なリングに

思い思いに落書きしよう

子供達の純粋さと

身につけた知恵と工夫で

 

 

インスタグラムをやり始めて感じたこと

自分にとって王道メジャーが

実はマイノリティの為の非常にマニアックな世界だという現実(笑)

こうなったらとことんトントコトンと

自分の好きな世界を進んで行くぜと決意を新たにした次第

「先を行く者は底も通らなければ行けない」

その言葉を信じ,川口浩が洞窟に入る気概と勇気で

コロナ禍もコロナ後も

全部ひっくるめて

冒険エンターテイメントにしてしまえ

 

 

おいらの冒険をひとつ

2001年、ナポリ➡️カラブリア

いっぱしの職人気取りで、方言も多少話せるようになったし、バールでのチップも様になってきた頃の話

街はもうすぐ春って頃なのに、皆もうバカンスの話しを始めてる、カラブリア、プーリア、ギリシャ、1年のピークをそこに集中させる熱量❗おいらにゃ関係ない話し、1キロぐらいのバジリコをサルバトーレと掃除してた。

電話越しに師匠のアドルフォがこっち見ながら、

 ma va bene giapponese?」

日本人で大丈夫?って何の話だよ師匠っ!

電話を置いたアドルフォ、「ヨシ、カラブリアで仕事してみないか?月給300万リラ、日本人で良いと言ってる」やっとお金をもらって仕事出来るようになってた、給与は倍、リゾート地で、プライベートビーチもある、6月から9月までの繁忙期、海、ビーチ、一夏の恋

即決

6月の中頃、カラブリア州ヴィーボマリーナ、玉ねぎで有名なトロペアの近く、人口一万の小さな海辺の町、果たして初の日本人なんじゃねぐらいに、意気揚々と壁の白が黄味がかった古びた駅に着いた

海、ビーチ、一夏の恋

Villaggio camping Dolomiti sul mare,今じゃ★★★★の立派なホテルになってしまったけど、当時は家族経営のリゾート施設、キャンプ場に併設されてバンガローやレストランに売店、プールにディスコ、ティレニア海に面した真っ青なプライベートビーチ、レストランの横には100人は座れるピッツェリアがあって、そこがおいらの職場だった

オーナーのアンジェラと娘のマリアからこのカンペッジョを取り仕切る顔役のアントニオ(トニーニョ)を紹介される、困ったことがあったら何でも聞きな、真っ黒に日焼けした肌にサングラス、塩と風とンドゥイヤの臭いが体臭を作ってるようなカラブリアの漢

早速、トニーニョの四輪バギーでピッツェリアに連れていってもらう、昨年の夏から火入れしてないっていう薪窯は人一人縦に入りますぐらいの全長の見たこともないパン用の巨大な窯

薪は?って聞いたら

昨年切ったオリーブの🌲がある、なんぼでもある、好きに使えと

自産地消ね、油含んでるから良く燃えるってよ

おいらの教育係兼ルームメイトになったのはチュニジア人のモハメッド、出稼ぎでイタリアに来たモスリム、ただ一人の有色人種だった彼と黄色い日本人はすぐ友達になった。シーズンオフはオーナーのアンジェラの家事や身の回りのお世話をして長年働いてる彼のお蔭でこのカンペッジョのヒエラルキーと大体のルールも直ぐ理解できたし、狭いキャンピングカーでの共同生活も控えめで思いやり溢れる彼のお蔭で快適だった

さてと

オープンまで3日、シェフのミンモやマネージャー、ホールやバールのスタッフとも顔合わせ、多少の不安を見せながらも好奇心が勝るのか、皆初めて見る日本人に優しかった…カラブリア、良いとこじゃん

海、ビーチ、一夏の恋

レストランのプレオープンには、地元の方や、オーナーの友人なんかが沢山やって来るから頼むよってマネージャーからも念押しされてた。当日の僕はナポリでやってた通り、アドルフォから教わった通りに生地を練って、窯を焚いた、それしか知らなかったから迷いもなく自信満々でね

7時オープン、まだ6月でもカラブリアの太陽は強く、海辺の湿度は高い、皆少し着飾ってシーズンの到来を祝う為に続々と来店してくる。生地多少発酵してるけど気にしないで行こう、常温での自然発酵しか知らない経験値一年半の気持ちピッツァ黒帯君のカラブリアデビュー、最初は良かった。オーナーのアンジェラがこの前より美味しいって声掛けしてくれた、有頂天ケラ、そっから日も暮れるに従って、客足が増えてくる、当然夜の食べ物ピッツァのオーダーが増える。

が、しかしだここにきて窯の火も暮れてくる(笑)、極太の丸太みたいなオリーブの🌲は一端火がつけば長時間持つけど、火がつくまでが遅いのね、この薪で長時間営業したことの無かった僕は次の薪を窯内で乾燥させ準備するのを怠ってた、簡単に言うと循環のプロセスを止めてしまっていた。パン用の巨大な窯の火を循環させるには燃えてしまった丸太のおき火🔥燃焼中の丸太、これから燃やす丸太の乾燥っていう

産まれ➡️生き➡️死ぬみたいな生命のプロセスを循環させていく必要があるの、それを止めてしまえば火の神ルシファーは滅する訳

そんでもって生地だわな午後9時頃のドピーク、カラブリアの暑さに生地は死んだ、そう神は死んだと言ったのはニーチェだが、ナポリでは犬のウンコを踏まないように守ってくれた聖サンジェンナーロのご加護も遠くカラブリアには及ばない。生地管理と発酵管理のミス

過発酵でピークを過ぎた生地は扱いにくい、ピークを過ぎたアイドルぐらい扱いにくい、そしてなんと発酵過剰の生地を焼くには高温の窯の火がいるのはご存知か?

つまり身寄りもいない南イタリアの田舎街で、東洋人のピッツァ職人気取りは過発酵でベロベロの生地と燃えない窯でカラブリア軍100人ぐらいを相手に戦わなければいけなかったのであります。レオニダスは300人でペルシャ軍100万とテルモピュライで闘った、絶望しながら生地を伸ばし焼く、当たり前に出来ていたことがが出来ない、アドルフォ、トト、ジュセッペ、助けてくれる仲間はいなかった。ただ一人モハメッドだけが隣で手伝ってくれていた….チング…友達

 

ジャポネーゼ完敗

 

その日の夜のことは良く覚えていない、後片付けを終えたらモハメッド以外誰もいなかった。彼が「ヨシは大丈夫、良い職人だ」と寝る時に言ってくれた、大したことじゃない、明日から頑張ろう、そう思って寝た

 

翌朝、大したことになってた

 

朝、誰も目を合わさない

バールでエスプレッソって言ったら、昨日まで笑顔だったバリスタが無言。売店のオバチャンが「あんた何やったのさ、アンナがincazzata 怒ってる」、施設内を歩く俺に向けられる視線はそうナポリの旧市街スパッカナポリを長髪に麻のパンツ、絞り染めの紫のTシャツで歩いた時に感じた疎外感に似てた、憐れみと嘲笑の視線

レストランにつく、昨日はプレオープン、週末まで営業はないから、シェフのミンモとマネージャーに昨夜のお詫びと思ったら、顔見るなり「東京行きのチケットは買ったかい?」(爆)

Gioco poco ma giocoってさ

ヨコポコマヨコ(まあ、プレーは出来る、少し)

サッカーの三浦選手がイタリアのジェノバでプレーしていた時にイタリアで言われていた選手評がそのまま日本人を表現する言葉になっていた

イタリアは身内の信頼で成り立っている、シェフかマネージャーの一人でも、オーナーかその娘の一人でも俺を信頼してくれるなら状況は違っただろうけど、俺の味方はモハメッドだけ

さてどうする、若かった、そんな状況下でも結構タフだった

でも紹介してくれたアドルフォに申し訳ねー、どうしたもんかいとカラブリアの星の下俺も考えた。Nokia が鳴る、フィレンツェに出稼ぎに行ってるパオロからcome stai caro?俺の兄弟子

カラブリアで一人でやってるって聞いて心配して電話してくれた、泣けるっぜ兄貴。矢継ぎ早にことの顛末を語ると

「なあヨシ、カラブリアじゃcazzoのことをduroって言うだろう」”↗️単語の意味が分からない方は自分で調べてね(笑)“

 

生地もduro(硬く)作れ、イーストはリッター当たり1グラム、七分の発酵で冷蔵庫に入れたら営業2時間前に外に出せ、蹴りだしは若いぐらいで良い。カラブリアは気候が違うし一人でやるなら作業性も大事だと言われた、それでも上手くいかないならまた連絡しなと

 

啓示だった、一つのやり方だけじゃないってこと

 

考え、工夫して、決断して、実行すること

 

迷いなんか無かったから、翌朝直ぐに試した

果たして、生地は良かった。作業性、生地のピークタイムの持続性も申し分ない、あとは巨大な窯の熱量を持続させる薪の炊き方だったけど、長時間燃えつ続けるオリーブの丸太の特性をいかして直列に配置して、段階的に入れ換えていくことで熱量を一定に保てることが分かった。どう乗りこなすかはイタリア車みたいなもの

日々試行錯誤している俺の周りの状況は依然として変わらず、皆どこかよそよそしかったけど、オイラは少しずつ手応えを感じていた

迎えた日曜日の夜、7月の初めは予約もまばらでレストランも閑散としてたけどピッツァのクオリティと窯の状態は納得のいくものになっていた。帰り際のボローニャから来たってお客さんが未だ明るい海を見ながら煙草をふかしてる東洋人に声をかけてくれた

「ピッツァヨーロかい?マルゲリータ旨かったよ」ウインク

遠くでマネージャーがこっちを見てた

 

 

そして信頼をつかむ決定的なチャンスが訪れた

 

今度の水曜日に地元の小学生50人が先生と一緒にカンペッジョに遠足に来る、昼食にはピッツァを食べたいそうだからお願いとマリア

OK マリアやれるさ

決戦は水曜日

内心ビビってた、これでやらかしたらマジで゛帰れソレントへ“

つまりピークタイムを13時に設定して、そこに全集中って訳。前日の営業終了後、涼しくなってから生地を仕込んだ、早朝に冷蔵庫で寝かせて窯を焚いた。先生達の分もいれて9枚焼き✖️6回、イタリアの小学生は大人と同じ250グラムの生地をペロリと食べる

いざ

レストランの人間は誰も手伝ってくれない、明らかに試されている、ピッツァを運ぶ為だけに地元の高校生バイトが二人、目の前でお喋りしている

小学生入場、ピッツァ!ピッツァ!の大合唱が始まる

ままよ

第一投

9枚を手前から、最後の一枚は一番奥に、じっくり頭でシミュレーションしたんだ。you tubeなんか無い時代、イメージの具現化には徹底的に細部までの考察が必要

振り替えったら次の9枚を伸ばす、ピッツァはベンコット!カラブリア人は日焼けした肌みたいな良く焼けた生地が好き

振り替えって9枚を取り出したら、トッピング

Vai Vai!!!!! 行け行け 高校生がピッツァを持っていく ガキ共の歓声と熱狂

俺はマシーンとなった、感情を持ったピッツァマシーン、長方形のでかい薪窯とのシンクロ率は120%、ピッツァが火を食べて大きくなる。減少した熱量をオリーブの丸太が体内の油を燃やして補っていく、理想的な循環のループ

30分かからなかった思う

バイトの高校生二人の目にリスペクトがあった、イタリア語でいう

RISPETTO 尊敬ってやつだ

 

夕方の営業の前にアンナの事務所に呼ばれた

「グラッツェ、ヨシ、顧問の先生が大変喜んでいたわ。皆大満足だって、ありがとう」見たことの無い笑顔で

事務所を出てバールに行った

スーっとエスプレッソが出てきた、ウインク

 

シェフのミンモが明日の賄いはピッツァにしようって言ってきた

 

その日から毎日、施設のスタッフは代わる代わるやってきてはおらが家の自家製のンドゥイヤをのっけてピッツァを焼いてくれないかとお願いにくるようになった

 

ある日顔役のトニーニョが昼飯に自分のキャンピングカーに誘ってくれた。レストランのマネージャーが耳元で教えてくれた

「トニーニョに誘われたってことはさお前が完全に認められたってことだよ、もうお前に何か言ってくる奴はいないし、何かあればトニーに相談すれば良い」

モハメッドが嬉しそうに笑ってる

日本から遠く、俺はカラブリアで男として認められたんだ

 

最高の海とビーチはあったけど

残念ながら一夏の恋はなっかった

Vivo marina

Dolomiti sul mare

写真なんか一枚もない

 

 

翌年の春Nokia が鳴った

マリアから

「ヨシ、今年も来てくれるんでしょうね?」

涙が出るぐらい嬉しかった

 

YOSHIHISA OTSUBO

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インスタグラム#ピザ屋の彼女になってみたい

2021.05.26

おおつぼ

 

Variazioni 変奏

2021.05.17

変奏曲

長短さまざまな主題(テーマ)または旋律を、

カタチを変えながら繰り返す形式

 

毎日、同じテーマや主題が様々に変奏されてる

昨日と今日と明日は秩序を保って配列されていて

毎日リズムが違う

毎日拍子が違う

代わり映えのしない毎日だと思うなら

耳を澄ませて

毎日奏でられるあなただけの主題歌に

 

人一人の命を救うのに懸命に働いてる人がいる

でもガザじゃ今日も爆弾一発で60もの命が、

一瞬で飛ばされてしまう

この世界で止めなきゃいけないのは

ウイルスなのか

憎しみなのか

軽やかに変奏しながら拡張、拡散していくウイルス

ならば僕もvariazioniを奏でよう

 

忙しい夜だった、La spaghettata、ナポリ

そろそろ街の賑わいも落ち着きだした午前零時のヴォメロ地区、Luca Giordanoからvia gino doria

ジュゼッペと外で一服、アントニオの淹れてくれたエスプレッソを回しのみ

店の前じゃ子供達、三人乗りでスクーター、

煙とオイルの匂い、

オレンジの街灯

眠らない街、だって今夜は土曜日の夜

「マルゲリータを三枚」持ち帰りの常連のお客さんに

”Finitu “「今日は終わったよ」ってジュゼッペが答える

 

そう、生地は終わったはず、

今日は終わりなんだよシニョーレ

 

“5 minuti!”「5分」いきなり作業台からアドルフォの声

生地無かったんじゃね

ジュゼッペは窯の火を確認しにいった

生地無かったよね?

偉大な師匠アドルフォが取り出したるは明日の生地、

そうね発酵はさっきまでの生地が妖艶な熟女だとしたら、

女子中学生ぐらい

まさに食べたら犯罪!

そしたらねたった一枚残ってた今夜の熟女生地を三等分にして

バラバラになったその生地を

女子中学生生地に付けて叩いて美容成形

「見ろよヨシ、これで良い女になっただろ」

マジかよアドルフォ

足し算的には犯罪じゃないけど(笑)

クオリティを下げてまで出さなくてもって思った

懐疑的な僕を嘲笑うように、伸ばし、トマトソースを塗り、チーズをのせる

若い、若すぎる、発酵が足りてない、無理だ

そう思った

果たして焼き上がったピッツァは

コルニッチョーネの膨らみや軽さは足りないけど

エイジングのきいた革ジャンの下に若々しい肌というか

美味しそうだったの〰️

 

今じゃ理解できてるけど、正直びっくらこいた

糖分量の問題なんだけど、

発酵した糖分量の少ない生地は焼成時に色つきが遅いの、

糖分パンパンの若い発酵の足りていない生地をその生地で覆ってやることで、表面を焦がさずにしっかり火入れが出来るんだ

少女を大人の女にする師匠のテクニック

う~んイタリア男ね

 

変奏なのか変装なのかわからないけど

旋律に装飾をつけて変形すると考えれば

やはり変奏

ベースとなるメロディーがあるなら

明るかったり暗かったり

コロコロと表情を変えながら

飽きることなく聴いていられるでしょ

アレンジと工夫で既存の世界ももっと楽しくなれる

 

家に帰ってトムとジェリーでも見ようぜ

 

 

Yoshihisa OTSUBO

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fantasia e Romantico

2021.04.19

三月うっちゃって

四月の風

ご無沙汰しております

大坪です

 

世間じゃヤンボウ マンボウ コロナ予防って騒いでるけど

この先の見えないコロナ世界を切り開く

ヤンマーディーゼル並みのココロ動かす力は

 

発見なんじゃないかしらって

 

このコロナ禍での発見もあったけど

既存のものでも

よく知られたものでも

自分で気付いたなら新発見、コロンブス

 

ある日あんまり生地を練らないで、ゆっくり寝かせてみたら

自然と粉と水が繋がって滑らかなグルテンになった

それを人はオートリーズ法と呼ぶらしいが

本読むまで知らなかった

 

小学生の時、スーパーマーケットで何でも手にはいると思ってた

万引きという犯罪だと

警備員のオジサンに言われた

 

ケッパーはイタリア語でカッペリ

イタリアのアリメンターレ(食料品店)でカペッリカペッリ

と叫んでも笑われるだけで

翌日、語学学校の先生にカペッリは髪の毛の意味だとアクセントを直された

ちなみにどうしてもモルタデッラと言えなかった私

モッタルデラ、モッタルデラとパンを握りしめてサルメリアに並んだ

オーナーは笑いをこらえながらパニーノを作ってくれたっけ

 

法律はすでにある

ルールもすでにある

答えだって、正解だって、もしかしたらこの世の真理だって

本に書いてあったりする

パンダはパンダと皆知った気でいる

パパやママにあれはパンダだと教えられたから

白と黒の笹の葉食べてるマヌケな熊とは誰も言わない

可愛いのだ、そう教えられたから

 

 

1994年ナポリVia dei tribunali

そうスパッカナポリで行列って言えばその頃はPizzeria Di Matteo

語学学校の教室の皆でピッツァってことになり初来店

ミケーレのマルゲリータしか食べたことのない在ナポリ2ヵ月目の私

当然の助動詞、オーダーはマルゲリータっしょ

ふと周りを見渡すと

何やら緑色の草が載った白いピッツァを食べている

目の前にカメリエーレ

オイラの視線の先に気付き一言「Buona ,Prova! 美味いぜ、試してみな」

まだ押しきられることが多かった東洋人のシャイな若者

テーブルに運ばれてきたそのピッツァには

緑色の草の上にパルミジャーノの薄切りがトッピングされてるだけ

 

白いピッツァって初めてって思いながら

覚えたてのナイフとフォークでエレガントにピッツァをBuon appetito!

うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

兄ちゃん美味いぜ❗カメリエーレがウインク

トマトソースがないぶん生地とモッツァレラの味がしっかりしてるぜ

このミルキーさと草の苦味、パルミジャーノの塩味と旨味が最高だぜ

永遠に食える組み合わせだ、感動したぜ

ぜ、ぜ、ぜ!

心の声の詳細は何分昔のことなので、想像ですが

本当に味は強烈におぼえてて。サルシッチャとフィアリエッリのピッツァに出会うまではビアンカ(白いピッツァ)と言えばこればっか頼んでたし、今でもこれが究極ベストだと思ってる

 

ナポリ人にとっては当たり前の在る“essereだったけど

ぼくにとっては発見だったの、大発見

自分で味わって、経験して、見て感じたなら冒険野郎マグワイヤ

知ったかぶりでそんなの当たり前じゃんって言うやつに

こう言ったら言い

「俺が知らないものを、自分のやり方と方法で手にいれたんだって」

誇りを持って

地球上の既存のもの、当たり前のことだって、

宇宙人からしたら、すべてが発見!

ディスカバリー号に乗って、自分だけの驚きに満ちた発見の旅を。船の名前はあんたの名前で良い

 

コロナ禍で日常ばかり見てたらは辛いことばかりかもしんない

だから僕はいつもファンタジーを作って、そこに生きてる。夢見てるんじゃないし、現実から逃げてるわけでもない

むしろ

この現実の世界にファンタジーを作り上げるってこと

 

ファンタジーは誰かと共有するものじゃなくて、自分だけのものだから、人には見えないかもしれないけど

それを持ってるか、もっていないかはこれからの時代を生きるうえでとっても大切なことだって思うの

日常を生きていく為の装置としてファンタジーあるわけで、それがないと、辛いは辛いでしかない。

誰かに理解されたいとかじゃなくて、徹底的に好きな世界を作り上げて、そこに生きてみること

 

嫌な現実から目をそらして、非現実に逃げるから、なんちゃらロスってなるんでしょ?

自分だけの物語や寓話を作り上げて、大好きな世界を通して社会にコミットしていくなら世の中はあなたの物語のつ続きになる

コロナだろうが、嵐だろうが、僕らはちゃんと立ってられる

 

 

モンテサントの駅からクマーナ線に乗ったら

二つ目のPiaveって駅で降りる

落書きだらけの駅、Tabacchi を抜けて右に曲がれば

Via Giustiniano(ジュースティニアーノ通り)

肉屋に魚屋、八百屋にバール、商店街の奥にピッツェリアがある

Pizze e  Pizzeジェンナーロのお店、今はもうない

朝8時煙草ふかして待っているとジェンナーロとアンジェラが買い物袋抱えてやって来る、Ciao Yoshi

生地20リットル、フリッタティーナにアランチーニとコロッケを10kgずつ

この店の朝の仕込み、イタリアでは日常が圧倒的すぎて、ファンタジーなんか無かった。10時も過ぎた頃には、真っ赤にはらした目でくわえタバコの長男のジーノがやって来る

Ciao Mappina!

ジェンナーロと僕は黙々とフリッタティーナを成形している

仕込みも佳境になってくると、お約束の面々がやって来る

ペッぺ、マッシモ、ジーノの友達。毎日、そう毎日(笑)

同じ時間に、計ったように同じ面々がやって来るんだ

その正確性は非正確性をアイデンティティーとするナポリにおいて、驚きでしか無かった

まあ狭い厨房に、スタッフ以外の知り合いが5人ぐらいる

昨日何食ったやら、どうやって税金を払わずにすむかなど話しながら

煙草の煙で白っぽい厨房

ジェンナーロと僕は黙々とアランチーニを成形している

男共が去って11時頃になると

女共がやって来る(笑)

ジェンナーロの奥さんのカルメッラ、ジーノの奥さんと息子、店は一気に騒がしくなって、孫のジェンナリーノが店を駆け回る、怒号、泣き声、叫び声

孫の登場でジェンナーロも満面の笑みでついに作業場を離れる

僕は一人黙々と20リットルの生地を成形している

毎日生きていた

圧倒的に生きていたからファンタジーなんか無かったけど

帰ってきて、タンブレッロやってからだと思う

あの景色や匂いや愛すべき馬鹿野郎共とのやりとりの全てが僕だけの物語になった

見せるものでも、誇るものでもないけど

僕が人生の中で見つけたオイラだけのもの

この世界を生きる為のファンタジア

 

Fantasia(物語)をベースにRomantico(ロマンティック)に生きてんのんが

イタリア人かもね

 

Gigi Finizio

ロマンティコ、泣けるナポリ

 

 

 

Yoshihisa OTSUBO 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Quando viene viene,basta che viene!

2021.02.23

誕生月も後半戦

春の匂いをザワザワと感じながら

少しずつ増えていく日本橋の人の流れ

 

 

さて、

緊急事態宣言も真っ只中の極東最前線ですが

週末をピークに大変沢山のお客様にご来店いただいております

ありがとうございます

私の名前は大坪ですが店は13坪しかありません

しかも改装したら18席に減ってしまいました

天井高は4メートルもあるんで、重ねて入れれば100人ぐらい入る思うのだけど。そう言うわけにはまいりません

なので

断る、謝る、謝罪会見をする、空席予想をする、連絡先を聞いてオールバックの僕がコールバックするなど、様々なご対応をさせていただいております。

せっかくご来店いただいたてもお断りする場合もございます

ディナータイム及び(土)🎌ランチタイムはご予約を承っております

また🈵でもご連絡先を頂ければ、お席が空き次第ご連絡差し上げます

宜しくお願いいたします

 

実際5時にオープンして7時にラストオーダー、8時閉店ですから

店内とテイクアウトとデリバリーと全てがそこに集中するわけです

盆と正月とついでにクリスマスも来やがったみたいな状態

まっ、カオスです、BGMは電話の呼び鈴

インテンシティ、マッドマックス怒りのサンダーロード

押し寄せるオーダーと分刻みの確認→判断→決定→行動

時間はねえぜ兄貴

そんなとき、そんな時よ、そんなあTOKIさ~

いつも思い出す師匠の言葉

 

西暦1999年、土曜日の夜9時頃のナポリ、ジーノドリア通りのピッツェリア

並んで作業台に立って、押し寄せるお客様の波と焼き上がりを待つテイクアウト客の怒号にビビってた

きっとこの日本人がトロいから

この中国人はピッツァ伸ばせんのか?

そんな風に思われてんじゃないかって

こいつピッツァは白帯だななんれ笑われてんじゃねえかって

持ち前のネガティブ思考で動きが遅くなっていく僕に

ちゃんとやりたい、きちんとやんなきゃって気張ってる僕に

今でも覚えてるよ、Sabato sera

土曜の夜のLa Spaghettata ピッツァ場からは

カメリエーレのガエターノが、トニーニョ、アントニオ、ジョルジョも見える

皆、今夜は最高に笑い怒ってる、だって土用の夜は特別なんだから

キッチンのパスクアーレがサルシッチャとフィアリエッリを届けてくれる

カメリエーレを罵倒しながら「お前の母ちゃん出べそ〰️」

窯の前でサルヴァトーレはずっと5枚焼きで膨れっ面、ピッツァは膨らまない

客の間をすり抜けてジュゼッペが配達から帰ってきた、「エスプレッソをくれ」

アドルフォは待ってるお客さんと口論を始めてる

ビビる大坪、止まる手元

そしたらアドルフォこっち見て、満面の笑みでこう言ったの

゛YOSHI, Quando viene viene,basta che viene ゛

雰囲気を伝えるとこんな感じかしら

ヨシ、客がガンガン来てるときはな、お客さんの前に料理がきたらそれでエエんじゃ(ウインク)

乱暴に聞こえるかもしれませんが、ピークタイムの飲食店において優先順位として一番大事にしなければいけないことを的確に伝えてくれる言葉です。

師匠の声音と重なって、いつも忙しいときの僕に語りかけてくれます

20年以上やって経験も技術もあの頃の自分より格段に成長してますし

これからも一つの流れを目指す努力は止めませんから

この言葉の意味も実践もレベルが上がってる思ってます

 

ご来店いただいたのにガッカリさせたくはありません

ピザ屋は味、スピード、値段の三位一体や思います

その中で最大限の努力を惜しまずに

お客様に喜んでいただきたい

貴重な外食の時間を楽しんで欲しい

 

少しでもタンブレッロで旅を感じて頂けたら嬉しいです

 

もうすぐ春ですね

立てた襟は下ろして、前向いて行こう

誰かに生かされてる人生ならば

感謝しかないから

伝えよう、伝えたいときに、すぐ、伝えよう

行こう、行きたいときに、すぐ、行こう

やめよう、やめたいときに、すぐ、やめよう

 

 

 

もうすぐあなたとタメだよ

 

大坪善久49歳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Obrigado

2021.01.19

2021年がどんな年になるかなんて

自分がどうなるかなんて

お店がどこへ行くのかなんて

オリンピック開催するかなんて

ワカラナイ

逆らわない

風の時代だから

無理はしてないけど

電気を消して、マスクを外して

空を見たら月は今夜も綺麗

 

 

改めて思いました

外食とは外で食べると書くのだから

外食にはその時々の景色があります

僕たちプロは料理も含めて描いてる景色がある

その中にはあなたがいて私がいて、いつか来る彼や彼女もいる

何のために生きてんのか

何のためにやってんのか

そんな景色も描けないなら

やめちまえば良い

 

 

20代、ポルトガルのリスボン

ヨーロッパの西の果て、冬枯れの街は郷愁で溢れてて、焼栗の屋台の煙が物悲しかったのを覚えてます

港町、坂を登ったり下りたり、たどり着いたら怪しい界隈

ピンク、紫、赤、カラフルなネオンに照らされた

LADRI , PUTTANE,POCODIBUONO達

この世とあの世の境目に仕切られた、簾越しに値踏みする視線を感じながら歩いた

そこだけ白色灯がやけに明るい店があって

カウンターにはお客がびっしり、黙々と食べる背中

控えめなラテン男、リスボンの親父達

空腹を抱えてた

その頃の僕のワクワクセンサーはかなりの高確率で

何が食えるかなんて知らないが美味いものが食える匂い~迷わず入店

何も言わなかったし

何も言えなかった

一言も語らずただ出されたものを食べた

皆同じものを食べている

BGMはナイフとフォークがお皿に触れあう音だけで、そこにはお客とお店の心地よいリスペクトがあって。

僕は無愛想に支払いを済ませて、覚えたてのポルトガル語で感謝を伝えたの

Obrigado!

感動しながら

”Bacalhau a’ Bra’s””

干鱈(バカリャウ)とジャガイモ炒め

その料理の景色です

 

料理作りって絵を描くのと一緒

今、お客様のいないお店は

皆さんが想うタンブレッロの景色とは違うかもしれないけど

僕は今をしっかり描いていかなきゃって思う

握りしめた拳や

悔しさは穴でも掘って埋めときゃ良い

何よりも

ありがとうを忘れないこと

 

 

 

東京中の電気を消して夜空を見上げてえな

かわいがってるぶざまな魂さらしてみてえんだ

俺はまた出かけよう 街は動き出した

明日もまた出かけよう 俺はうまくやるさ

 「友達がいるのさ」エレファントカシマシ

 

人様じゃ作れない圧倒的な景色を見るとき

涙が流れたあなたは、綺麗な心の持ち主

作ろうぜ俺たちの景色

人と人を繋ぐのはありがとうの言葉

最近言ってますか?ありがとうって

このくそったれの世界にObrigado

 

大坪善久

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

年末年始の休業日のお知らせ

2020.12.07

今年もあと少しですね

2020年12月は29日(火)のランチタイムまでの営業

年始は2021年1月5日(火)のディナータイムから

となります

御確認宜しくお願い致します

 

 

今年もありがとね

 

PIZZERIA IL TAMBURELLO

株式会社大坪組

代表取締役 大坪善久